8月後半になると、
「夜、暑くてなかなか眠れない」
「冷房をつけると身体が冷える」
「朝起きると肩や腰が固まっている」
「寝たはずなのに疲れが取れない」
「日中の肩こりや腰痛がいつもよりつらい」
このようなお悩みを感じる方が増えてきます。
夏の不眠は、ただ「暑くて眠れない」という問題だけではありません。
睡眠の質が下がることで身体が回復しにくくなり、肩こりや腰痛を感じやすくなることがあります。さらに、冷房による冷えや、寝苦しさによる呼吸の浅さ、身体の緊張が重なると、朝から身体が重く感じやすくなります。
夏はなぜ眠りにくいのか
夏の夜は、気温や湿度が高くなりやすく、身体に熱がこもりやすい季節です。
暑さで寝つきが悪くなる。
夜中に目が覚める。
汗をかいて不快になる。
冷房をつけると今度は身体が冷える。
このように、夏の睡眠は「暑さ」と「冷え」の両方に影響を受けやすくなります。
厚生労働省は熱中症予防として、暑さを避けること、エアコンが効いている室内など涼しい場所を選ぶこと、早めの水分補給を心がけることを示しています。つまり、夏の夜に冷房を使うこと自体は、身体を守るためにも大切です。
ただし、冷房の風が首や肩、腰、お腹、足元に直接当たり続けると、身体が冷えて筋肉がこわばりやすくなる方もいます。
大切なのは、冷房を我慢することではありません。
冷房を適切に使いながら、身体を冷やしすぎない環境をつくることです。
睡眠の質が下がると、痛みを感じやすくなることがある
肩こりや腰痛がある方にとって、睡眠はとても重要です。
なぜなら、睡眠は身体を休ませ、日中に溜まった疲労を回復させる時間だからです。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、睡眠時間は睡眠の量を反映する指標であり、睡眠休養感は睡眠の質を反映する指標とされています。また、十分に眠れない、睡眠で休養感が得られない、日中の眠気が強い状態が続き、生活に影響が出る場合は、医師への相談がすすめられています。
つまり、「何時間寝たか」だけではなく、「起きたときに回復した感じがあるか」も大切です。
近年の研究でも、睡眠障害と慢性疼痛は高頻度に併存し、相互に影響し合うことが報告されています。また、日本人を対象にした研究では、睡眠時間そのものよりも、睡眠の充足感が頭痛や腰痛などの慢性疼痛と強く関連したとされています。
そのため、夏の不眠が続くと、肩こりや腰痛そのものが強くなったように感じることがあります。
これは「気のせい」ではなく、身体が十分に回復できていないサインかもしれません。
冷房で身体が冷えると、朝の肩こり・腰痛につながりやすい
夏の不眠で多いのが、冷房の使い方の難しさです。
冷房を消すと暑くて眠れない。
冷房をつけると寒くて目が覚める。
朝起きると首や肩が固まっている。
腰や足元が冷えて重だるい。
このような経験がある方も多いのではないでしょうか。
冷房で身体が冷えると、首や肩をすくめるような姿勢になりやすくなります。
また、腰やお腹まわりが冷えると、寝返りが少なくなったり、朝起きたときに腰が固まったように感じたりすることがあります。
特に50代女性は、仕事、家事、家族のサポートなどで日中も身体が緊張しやすい方が多いです。
その緊張が抜けないまま眠り、さらに冷房で身体が冷えると、睡眠中も肩や腰が休まりにくくなります。
呼吸が浅いと、眠りも身体も休みにくい
夏の不眠で見落とされやすいのが、呼吸です。
暑さで寝苦しい。
冷房で身体が冷える。
日中の疲れが抜けない。
肩こりや腰痛がある。
このような状態が続くと、身体は無意識に力みやすくなります。
身体が緊張すると、呼吸は浅くなりやすくなります。
特に、首や肩に力が入り、胸を持ち上げるような呼吸になっている方は注意が必要です。
呼吸のたびに首や肩まわりの筋肉を使ってしまうため、寝ているつもりでも肩が休まりにくくなります。
また、腰痛がある方は、痛みに備えてお腹や背中を固める癖がついていることがあります。
その状態では、寝返りも浅くなり、朝起きたときに腰が重く感じやすくなります。
夏の不眠対策で見直したい5つのポイント
1. 冷房は我慢せず、風を直接当てない
暑い夜に冷房を我慢するのは危険です。
熱中症予防のためにも、涼しい環境をつくることは大切です。
ただし、風が首、肩、お腹、腰、足元に直接当たり続けないようにしましょう。
風向きを変える。
薄手の長袖を着る。
腹部や足首を冷やしすぎない。
寝具で調整する。
このように、室温を整えながら身体を守る工夫が大切です。
2. 寝る前に首・肩・腰を温めすぎず、冷やしすぎない
夏は湯船に入らず、シャワーだけで済ませる方も多いです。
しかし、冷房で身体が冷えやすい方は、ぬるめのお湯で身体をゆるめるのも一つの方法です。
熱すぎるお風呂に長く入る必要はありません。
首や肩、腰まわりのこわばりが強い方は、寝る前に身体が冷え切っていないか確認してみてください。
3. 寝る直前までスマホを見続けない
寝る前までスマホを見ていると、頭が休まらず、眠る準備が遅れやすくなります。
特に、日中から疲れが溜まっている方ほど、夜は刺激を減らすことが大切です。
完璧にやめる必要はありません。
まずは布団に入ってからスマホを見続ける時間を減らすことから始めてみましょう。
4. 日中に軽く身体を動かす
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、運動習慣がある人は寝つきがよく、中途覚醒などの不眠症状が少ない一方、運動習慣がない人は睡眠休養感が低いことが示されています。
肩こりや腰痛がある方に必要なのは、いきなりきつい運動をすることではありません。
1時間に1回立ち上がる。
肩をゆっくり回す。
股関節を軽く動かす。
痛みのない範囲で歩く。
このような小さな動きでも、身体が固まり続けることを防ぎやすくなります。
5. 寝る前は「深く吸う」より「ゆっくり吐く」
不眠の方は、無理に深呼吸をしようとして、かえって肩や首に力が入ることがあります。
おすすめは、まず吐くことです。
鼻から軽く吸う。
口または鼻から細く長く吐く。
肩の力を抜く。
奥歯を噛みしめていないか確認する。
腰やお腹を固めすぎていないか感じる。
1〜2分で十分です。
目的は、無理に眠ろうとすることではありません。
「今、自分の身体に力が入っている」と気づき、少しずつ休める状態に戻していくことです。
不眠や痛みが続く場合は、自己判断しすぎない
夏の不眠や肩こり、腰痛は、生活習慣や冷房、疲労の影響で起こることがあります。
しかし、すべてを「夏だから仕方ない」と決めつけるのは危険です。
不眠症は、寝つきが悪い、途中で目が覚める、早朝に目が覚めるなどの睡眠問題があり、その結果として日中に倦怠感、意欲低下、集中力低下、食欲低下などが出る状態と説明されています。
また、強い痛み、しびれ、足に力が入らない、発熱、急な体調不良、夜間に痛みが強くなる、原因不明の体重減少などがある場合は、医療機関への相談が必要です。
不眠が続いて日中の生活に影響している場合も、早めに専門家へ相談しましょう。
夏の不眠は、鍛える前に整えるサイン
夏に眠れない。
朝起きると肩や腰が固まっている。
寝ても疲れが取れない。
日中の肩こりや腰痛がつらい。
このような状態のときに、いきなり「筋トレを頑張らなきゃ」と考える方もいます。
もちろん、適度に身体を動かすことは大切です。
しかし、身体が冷えている、呼吸が浅い、睡眠で回復できていない、首や腰に力が入り続けている。
この状態で無理に運動を増やすと、かえって疲労感や痛みが強くなることもあります。
まず必要なのは、身体を追い込むことではありません。
呼吸を整えること。
首や肩の力みを抜くこと。
腰を固めすぎないこと。
冷房との付き合い方を見直すこと。
眠れる身体の準備をつくること。
つまり、鍛える前に整えることです。
LIFE SMILE GYMでは、肩こりや腰痛を単なる筋力不足として見るのではなく、呼吸、姿勢、身体の緊張、睡眠の状態を確認しながら、その方に合った身体づくりをサポートしています。
「夏になると眠れない」
「朝から肩こりや腰痛がつらい」
「寝ても疲れが取れない」
「9月から元気に動きたい」
そんな方は、まずご自身の身体がきちんと休める状態になっているかを見直してみてください。
夏の不眠は、身体からのサインかもしれません。
眠れる身体をつくることは、肩こりや腰痛を軽くする第一歩です。

