花粉症は鼻だけの問題ではない。睡眠・疲労・健康との関係

「鼻水が出るだけだから我慢しよう」

「花粉の時期が終われば治るから大丈夫」

花粉症がある方の中には、毎年このようにやり過ごしている方も多いと思います。

でも実は、花粉症は、

くしゃみ。

鼻水。

鼻づまり。

目のかゆみ。

だけの問題ではありません。

症状が強くなると、

眠れない。

朝から疲れている。

仕事に集中できない。

身体を動かす気になれない。

イライラする。

など、日常生活全体に影響することがあります。

つまり花粉症は、

「鼻の不調」ではなく、健康や生活の質まで考えたい問題

なのです。

秋にも花粉症はあります

花粉症というと、

「春のスギ花粉」

というイメージが強いと思います。

しかし、秋にも花粉は飛んでいます。

厚生労働省の補助事業として日本アレルギー学会が運営する「アレルギーポータル」では、ブタクサやヨモギなどのキク科植物、カナムグラなどの花粉が8〜10月頃に飛散するとされています。

そのため10月になって、

「風邪でもないのに鼻水が続く」

「目がかゆい」

「朝になるとくしゃみが止まらない」

という方は、秋の花粉症が関係している可能性もあります。

花粉症は「免疫の反応」

花粉症は、身体が弱いから起こるわけではありません。

花粉に対して免疫が反応することで起こるアレルギー疾患です。

アレルギーとは、本来身体を守るために存在する免疫システムが、花粉など特定の物質に反応することで症状を引き起こすものです。

そのため、

「身体を鍛えれば花粉症が治る」

「自律神経を整えれば花粉症がなくなる」

という単純な話ではありません。

必要に応じて、耳鼻咽喉科やアレルギー科などで適切な診断・治療を受けることが大切です。

鼻づまりが「睡眠」に影響する

花粉症で特に見逃したくないのが睡眠です。

鼻が詰まっていると、

寝つきにくい。

夜中に目が覚める。

口呼吸になる。

朝起きてもスッキリしない。

といった状態になることがあります。

アレルギー性鼻炎は睡眠の質や量を低下させることが知られており、特に鼻づまりは睡眠問題に関わる症状の一つとされています。

さらに、持続するアレルギー性鼻炎では、睡眠に関連する症状が健康関連QOLの低下と強く関連するという研究もあります。

つまり、

花粉症

↓

鼻づまり

↓

睡眠が浅くなる

↓

翌日に疲れが残る

という流れが起こる可能性があります。

「最近疲れやすい」は花粉症の影響かもしれない

花粉症の時期になると、

「なんとなく身体がだるい」

「朝から疲れている」

「仕事中に眠い」

という方がいます。

これを、

「体力が落ちた」

「歳のせい」

と考えてしまうことがあります。

でも、睡眠が十分に取れていなければ、当然身体は回復しにくくなります。

アレルギー性鼻炎と睡眠障害の関係については、日中の眠気や疲労、仕事や学習の生産性低下まで含めて報告されています。

だから、

疲れやすい=筋力不足

とは限りません。

筋トレを増やす前に、

「そもそも眠れているのか?」

という視点も大切です。

花粉症が強いと、身体も緊張しやすくなることがある

鼻が詰まって息苦しい。

目がかゆい。

頭が重い。

夜眠れない。

この状態が続けば、身体にも余裕がなくなります。

呼吸しづらさから顔や首まわりに力が入ったり、睡眠不足によって身体のだるさを感じたりすることもあります。

その状態で、

仕事。

家事。

運動。

育児。

を続けていれば、

「肩までガチガチ」

と感じる方がいても不思議ではありません。

ただし、

花粉症が直接肩こりを起こす

とまで言い切ることはできません。

花粉症による睡眠不足や体調不良などが、間接的に身体のつらさを感じやすくする可能性がある、と考えるのが適切です。

花粉症で外に出なくなることにも注意

花粉が多い時期になると、

「外に出ると症状が出るから」

と活動量が落ちる方もいます。

外出を控えること自体が悪いわけではありません。

花粉を避けることは、花粉症対策として重要です。アレルギーポータルでも、花粉の回避は基本的な対策の一つとされています。

ただ、

花粉症だから全く歩かない。

家にずっと座っている。

運動習慣までなくなってしまう。

という状態が何週間も続くと、今度は運動不足の問題が出てきます。

花粉の飛散状況を見ながら、

室内で運動する。

自宅で身体を動かす。

花粉の少ない時間帯を活用する。

など、自分に合った方法を見つけることが大切です。

「我慢する」より、早めに対策する

毎年花粉症になる方の中には、

「ひどくなってから薬を飲めばいい」

という方もいます。

しかし、アレルギーポータルでは、花粉飛散シーズン前や症状がごく軽い段階から治療を始めることで、症状の悪化を抑えられることが示されています。

つまり、

「限界まで我慢する」

必要はありません。

症状が強い方は、早めに医療機関へ相談することも立派な健康管理です。

花粉症の時期に意識したい4つのこと

まず一つ目は、花粉をできるだけ持ち込まないこと。

帰宅時に衣類についた花粉を払い、洗顔や手洗いなどを行います。

二つ目は、睡眠を軽視しないこと。

鼻づまりで眠れていない場合、身体の疲れまで「歳のせい」にしないようにしましょう。

三つ目は、活動量を落としすぎないこと。

外に出づらい日は、室内でも構いません。

少し歩く。

身体を動かす。

軽く運動する。

という習慣を保ちましょう。

四つ目は、症状を我慢しすぎないこと。

花粉症には、抗原回避、薬物療法、アレルゲン免疫療法など複数の対策があります。自分に合った方法について医療機関へ相談することが大切です。

健康は「身体全体」で考える

花粉症は鼻の病気だから、

鼻だけ見ればいい。

そう考えがちです。

でも実際には、

鼻が詰まる。

眠れない。

疲れる。

集中できない。

身体を動かさなくなる。

生活の質が下がる。

というように、身体と生活はつながっています。

これは、肩こりや腰痛でも同じです。

肩が痛いから肩だけ。

腰が痛いから腰だけ。

ではなく、

睡眠。

呼吸。

運動。

食事。

水分。

ストレス。

身体の使い方。

生活全体を見ることが大切です。

LIFE SMILE GYMでも、

「痛い場所だけを見る」

という考え方ではなく、その人が日常をどう過ごしているのかまで含めて身体を見ています。

不調改善の目的は、人生を楽しむこと

花粉症の症状が強いと、

旅行へ行きたくない。

外に出たくない。

仕事に集中できない。

友人に会うのも面倒。

そんな状態になることがあります。

だから花粉症対策の目的も、

「鼻水を止める」

だけではありません。

よく眠る。

元気に仕事をする。

身体を動かす。

外出を楽しむ。

旅行へ行く。

家族との時間を楽しむ。

普段の生活を取り戻すこと。

そこまで考えてほしいと思います。

健康とは、病気がないことだけではありません。

自分がやりたいことを、身体を理由に諦めずにできること。

花粉症も「毎年だから仕方ない」と我慢するのではなく、

症状を適切にコントロールしながら、

睡眠や運動など身体全体を整えていく。

それが、花粉症と上手に付き合いながら健康を守るために大切な考え方です。