身体の緊張が強い肩こりの方へ。筋トレの前に必要なのは“脱力”と“呼吸”かもしれません

肩こりを改善したくて、筋トレを始める方は少なくありません。

「肩こりは筋力不足が原因かもしれない」
「姿勢を良くするには背中を鍛えた方がいい」
「体幹を鍛えれば、肩こりも腰痛も良くなりそう」

このように考えるのは、とても自然なことです。

もちろん、筋トレ自体が悪いわけではありません。

慢性的な首や肩の痛みに対して、運動療法が有効な選択肢になることは、ガイドラインや研究でも示されています。慢性の首の痛みに対しては、運動療法が推奨されるとされています。

ただし、ここで大切なのは「どんな身体の状態で筋トレをするか」です。

身体の緊張が強く、首や肩に常に力が入っている方が、そのまま筋トレをすると、肩こりが楽になるどころか、さらに身体が硬く感じることがあります。

筋トレで肩こりが悪化する人に多い状態

肩こりが強い方の中には、本人は力を入れているつもりがなくても、身体がずっと緊張している方がいます。

たとえば、

肩が無意識に上がっている。
奥歯を噛みしめている。
首の後ろが常に張っている。
背中や肋骨が動きにくい。
呼吸が浅く、胸や肩で息をしている。
姿勢を良くしようとして、腰や背中を反らせている。

このような状態です。

この身体のまま筋トレをすると、本当は背中やお尻、体幹を使いたいのに、首や肩が先に頑張ってしまいます。

背中を鍛えているつもりなのに、首が疲れる。
腕を動かしているだけなのに、肩がすくむ。
体幹トレーニングをしているのに、腰や首が固まる。
運動後にスッキリするどころか、余計に重だるい。

このような方は、筋力が足りない以前に、身体が「力を抜けない状態」になっているかもしれません。

緊張した身体に負荷をかけると、さらに固まりやすい

筋トレは、身体に負荷をかける行為です。

必要な場所に適切に負荷が入れば、筋力や身体機能の向上につながります。

しかし、すでに首や肩に力が入り続けている方の場合、筋トレ中も同じ癖が出やすくなります。

たとえば、重さを持つと肩がすくむ。
頑張ろうとすると呼吸が止まる。
フォームを保とうとして首や腰を固める。
「効かせよう」として、身体全体に力が入りすぎる。

この状態では、筋トレをしているのに、首や肩の緊張をさらに上乗せしてしまうことがあります。

つまり問題は、筋トレそのものではありません。

緊張が抜けない身体のまま、さらに頑張ってしまうことです。

肩こりの人に必要なのは、いきなり鍛えることではない場合がある

肩こりがあると、多くの方は「弱いから鍛えなきゃ」と考えます。

でも実際には、弱いというより、力が入りすぎている方も多くいます。

常に肩に力が入っている。
常に首で頭を支えている。
常にお腹や背中を固めている。
常に呼吸が浅い。

この状態は、身体がずっと頑張り続けている状態です。

そこでさらに筋トレを足すと、身体はもっと頑張ろうとします。

本当に必要なのは、まず「頑張らなくても支えられる身体」に戻していくことです。

そのために重要なのが、脱力と呼吸です。

脱力は、ただ力を抜いてダラッとすることではない

脱力というと、何もしない、姿勢が崩れる、筋肉を使わない、というイメージを持つ方もいます。

でも、ここでいう脱力は違います。

脱力とは、必要のない力を抜き、必要な筋肉が自然に働ける状態をつくることです。

首や肩に入りっぱなしの力を抜く。
奥歯の噛みしめをゆるめる。
肩をすくめずに腕を動かせるようにする。
腰を反らせずに立てるようにする。
呼吸を止めずに身体を動かせるようにする。

これができると、筋トレをしたときにも、本来使いたい場所に力が入りやすくなります。

つまり、脱力は筋トレの反対ではありません。

筋トレの効果を出すための土台です。

呼吸が浅いと、肩は休みにくい

肩こりが強い方に多いのが、呼吸の浅さです。

本来、呼吸では横隔膜や肋骨、背中まわりも動きます。

しかし、身体が緊張していると、肩や首を持ち上げるような呼吸になりやすくなります。

すると、呼吸をするたびに首や肩まわりの筋肉が働き続けます。

これでは、休んでいるつもりでも肩が休まりません。

厚生労働省のe-ヘルスネットでも、ストレッチングを行う際には息を止めず、ゆっくりと深い呼吸が緊張を和らげると説明されています。

また、ゆっくりした呼吸は、自律神経や心理的なリラックス反応と関係することが、複数の研究をまとめたレビューでも報告されています。

だからこそ、肩こりを改善したい方は、筋トレの前に「ちゃんと呼吸できているか」を確認することが大切です。

筋トレより先に整えたい順番

身体の緊張が強い肩こりの方は、いきなり鍛えるよりも、次の順番で整えることをおすすめします。

まず、呼吸を整える。
次に、首や肩の力みを抜く。
肋骨や背中を動かしやすくする。
肩甲骨を無理に寄せるのではなく、自然に動ける状態をつくる。
姿勢を固めるのではなく、楽に支えられる状態をつくる。
そのうえで、必要な筋トレを行う。

この順番を飛ばしてしまうと、運動をしているのに肩こりが変わらないことがあります。

逆に、呼吸と脱力ができるようになると、同じ筋トレでも身体の使い方が変わります。

首で頑張らなくなる。
肩をすくめにくくなる。
背中やお腹を使いやすくなる。
運動後に余計な疲れが残りにくくなる。

筋トレをやめる必要はありません。

筋トレが効く身体の準備をすることが大切です。

「鍛えれば治る」と思っている方へ

肩こりを改善するために、筋トレを頑張ることは悪いことではありません。

ただ、身体の緊張が強い方にとっては、筋トレが最初の一手ではない場合があります。

まず必要なのは、力を入れる練習ではなく、力を抜ける身体を取り戻すこと。

呼吸を整えること。
首や肩を休ませること。
肋骨や背中を動かすこと。
姿勢を無理に作らないこと。
日常生活で、どこに力が入っているかに気づくこと。

これができてから筋トレをすると、身体は変わりやすくなります。

LIFE SMILE GYMが大切にしていること

LIFE SMILE GYMでは、肩こりを単なる筋力不足として見ていません。

もちろん、必要に応じて運動や筋トレも行います。

しかし、その前に確認するのは、

呼吸は浅くないか。
首や肩に力が入り続けていないか。
姿勢を保つために腰や背中を固めていないか。
肩甲骨や肋骨が自然に動いているか。
日常生活で無意識に力む癖がないか。

という身体の状態です。

不調がある方ほど、いきなり鍛える前に整えることが大切です。

肩こりを改善したい。
筋トレをしているのに肩が楽にならない。
運動後に首や肩が余計につらくなる。
力を抜いているつもりなのに、いつも身体が硬い。

そんな方は、筋トレが足りないのではなく、脱力と呼吸が足りていないのかもしれません。

鍛える前に、まず整える。

力を入れる前に、力を抜ける身体へ。

肩こりを本当に変えていくためには、この順番がとても大切です。