10月の寒暖差に注意。秋に増える身体の不調と整え方

10月に入ると、夏の暑さが落ち着き、一気に秋らしくなってきます。

ただ、この時期は身体にとって意外と負担がかかりやすい季節です。

朝は肌寒い。
昼間は暖かい。
夕方になるとまた気温が下がる。

さらに、前日は暖かかったのに翌日は急に冷えるなど、日ごとの気温差も大きくなります。

こうした時期になると、

「朝から身体が重い」
「肩こりが強くなった」
「腰が固まる感じがする」
「なんとなく疲れやすい」
「眠っているのにスッキリしない」

という不調を感じる方が増えてきます。

一般的に「寒暖差疲労」という言葉が使われることもありますが、これは正式な病名ではありません。

大切なのは、寒暖差だけですべてを説明するのではなく、気温変化に身体が対応するための負担や、冷え・睡眠・活動量・身体の緊張などを総合的に見ることです。

人間の身体は気温に合わせて調整している

私たちの体温は、外気温が変わっても大きく変化しないように調節されています。

暑ければ汗をかき、皮膚の血流を増やして熱を逃がす。

反対に寒くなると、皮膚の血管を収縮させて身体から熱が逃げにくい状態をつくります。

寒冷刺激によって皮膚血管の収縮や熱産生などの体温調節反応が起きることは、生理学的にもよく知られています。

つまり、10月のように朝・昼・夜で温度が変わる時期は、そのたびに身体が環境へ対応しているということです。

2025年のシステマティックレビューでも、日内・日間の気温変動と心血管・呼吸器系の健康影響との関連が報告されています。特に高齢者では影響を受けやすい傾向が示されています。

ただし、

「寒暖差がある=必ず体調を崩す」

という意味ではありません。

睡眠、年齢、持病、体力、その日の体調などによって、影響の受け方には個人差があります。

10月になると肩こりが強くなる人へ

寒く感じたとき、自分の身体を想像してみてください。

肩をすくめる。

首を縮める。

背中を丸める。

身体全体に力を入れる。

これは、寒さに対する自然な反応でもあります。

ただ、この状態が長時間続くと、首や肩は休まりにくくなります。

特に、

デスクワークが長い。

スマホを見る時間が長い。

普段から肩に力が入りやすい。

奥歯を噛みしめる癖がある。

という方は、寒さによる緊張が加わることで肩こりを強く感じることがあります。

ここで、

「筋肉が弱いからもっと鍛えよう」

とすぐに考える必要はありません。

すでに肩が働きすぎている方に必要なのは、さらに力を入れることよりも、まず余計な緊張を減らすことかもしれません。

寒くなると呼吸も浅くなりやすい

身体に力が入ると、呼吸にも変化が出ます。

肩が上がる。

胸の上だけで呼吸する。

お腹を固める。

息を止める。

こんな状態になっていないでしょうか。

本来、呼吸では横隔膜や肋骨、背中も動きます。

しかし身体が緊張すると、その動きが小さくなり、首や肩の筋肉を使って呼吸しやすくなります。

すると、

寒い
↓
肩に力が入る
↓
呼吸が浅くなる
↓
首や肩がさらに働く
↓
肩こりを感じやすくなる

という流れに入ることがあります。

だから10月の肩こり対策では、肩だけを揉むのではなく、

呼吸しやすい身体に戻すこと

も大切です。

腰痛がある方は「冷え+動かない」に注意

10月になると、

朝は寒いから動きたくない。

外出する時間が減る。

家で座る時間が長くなる。

という方も出てきます。

すると、股関節や背中を動かす機会が減り、腰に負担が集中しやすくなることがあります。

また、腰痛がある方は寒く感じると、

「また腰を痛めそう」

と無意識にお腹や背中を固めることがあります。

身体を守るための反応ですが、ずっと固めた状態で生活すると、かえって腰まわりが疲れやすくなります。

腰痛がある方ほど、

腰だけを伸ばす。

腹筋だけを鍛える。

というよりも、

少し歩く。

股関節を動かす。

背中を動かす。

呼吸を止めずに動く。

という身体全体の動きを意識してみてください。

「寒暖差=自律神経が乱れる」と言い切らない

最近は、

「寒暖差で自律神経が乱れる」

という表現をよく見かけます。

確かに、体温調節には自律神経系が関与しています。

寒冷刺激に対して交感神経系が働き、血管収縮などの反応が起こることも確認されています。

ただし、

肩こりも、
疲れも、
頭痛も、
腰痛も、

全部「自律神経の乱れ」で説明できるわけではありません。

睡眠不足。

活動量低下。

筋肉の緊張。

気圧変化。

精神的なストレス。

食事。

持病。

さまざまな要素が関係します。

だからこそ大切なのは、

「自律神経を整えれば全部解決」

という考えではなく、

自分の生活の中で身体に負担をかけているものを一つずつ減らすことです。

10月は睡眠も見直したい

夏の間、

暑くて眠れなかった。

夜中に目が覚めていた。

冷房をつけっぱなしだった。

夜更かしが増えていた。

という方は、10月になっても睡眠のリズムが戻っていないことがあります。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、睡眠時間だけでなく、睡眠で休養が取れている感覚も重要だとされています。

寝ている時間は長いのに、

朝から身体が重い。

肩や腰が固い。

日中眠い。

疲れが抜けない。

という場合は、睡眠の状態も一度見直してみてください。

身体が回復できていない状態で寒暖差が加わると、不調をより強く感じることがあります。

10月に意識したい5つの対策

まず一つ目は、服装で細かく調整すること。

厚手の服を一枚着るよりも、薄手の羽織りものを使い、気温に合わせて脱ぎ着できるようにしましょう。

二つ目は、朝からいきなり激しく動かないこと。

朝は身体が冷えています。

起きてすぐに無理なストレッチや激しい運動をするのではなく、少し歩く、手足を動かすなど、徐々に身体を動かしましょう。

三つ目は、歩く時間を減らしすぎないこと。

涼しくなった10月は、本来身体を動かしやすい季節です。

10〜20分でも構わないので、散歩などで身体を動かす習慣を作っておきましょう。

四つ目は、湯船を活用すること。

夏の間シャワーだけだった方も、身体が冷える日には入浴を使い、身体を温める時間を作ってみてください。

五つ目は、呼吸と脱力。

鼻から軽く吸って、ゆっくり吐く。

肩をストンと落とす。

奥歯を離す。

お腹や腰を固めすぎていないか確認する。

1〜2分で十分です。

重要なのは「完璧にリラックスすること」ではありません。

自分がどれくらい力んでいたのかに気づくことです。

10月こそ「鍛える前に整える」

秋はスポーツの季節です。

涼しくなって、

「そろそろ筋トレを始めよう」

「夏に動かなかった分、頑張ろう」

と思う方も多いでしょう。

もちろん、運動は大切です。

でも、

睡眠不足。

肩や腰の緊張。

呼吸の浅さ。

夏の疲れ。

寒暖差への対応。

こうした状態が残っている身体に、いきなり強い負荷をかける必要はありません。

まず、

身体の力みを抜く。

呼吸を整える。

背中や股関節を動かす。

少しずつ活動量を戻す。

そのうえで必要な筋力をつけていく。

この順番が大切です。

秋の不調を「年齢のせい」にしない

10月になって、

肩が重い。

腰が固い。

疲れやすい。

朝スッキリしない。

そんな変化を感じたとき、

「50代だから仕方ない」

と片づけないでください。

年齢による変化はあります。

でも、すべてが年齢だけで決まるわけではありません。

身体の緊張。

呼吸。

睡眠。

活動量。

身体の使い方。

見直せるものはたくさんあります。

LIFE SMILE GYMでは、不調を単なる筋力不足として見るのではなく、

呼吸はできているか。

肩や腰に余計な力が入っていないか。

身体を楽に動かせているか。

きちんと回復できているか。

という身体全体の状態を見ながら整えていきます。

鍛える前に、まず整える。

10月の寒暖差は、これまで気づかなかった身体の緊張が表に出やすい時期でもあります。

冬に身体がガチガチになってから対策するのではなく、今のうちから、

呼吸する。

脱力する。

動く。

眠る。

身体を温度変化に対応できる状態へ少しずつ整えていきましょう。

秋を不調に振り回される季節ではなく、冬に向けて身体を整える季節にしていきましょう。