人生に必要なのは、もっと頑張ることではなく「脱力」かもしれません

私たちは子どもの頃から、

「頑張りなさい」
「もっと努力しなさい」
「諦めずに続けなさい」

と教わることが多くあります。

仕事を頑張る。
家事を頑張る。
子育てを頑張る。
人間関係も頑張る。
健康のために運動も頑張る。

もちろん、人生において頑張ることは大切です。

努力しなければ得られないものもありますし、踏ん張らなければいけない瞬間もあります。

でも、身体を見ていると感じることがあります。

頑張ることは得意なのに、力を抜くことが苦手な人がとても多い。

そして実は、この「力を抜けないこと」が、肩こりや腰痛、疲れやすさだけでなく、毎日の余裕にまで影響していることがあります。

脱力とは「頑張らないこと」ではありません

脱力という言葉を聞くと、

「何もしない」
「ダラダラする」
「やる気を出さない」
「姿勢を崩す」

というイメージを持つ方もいるかもしれません。

でも、私たちが考える脱力は違います。

脱力とは、

必要のない力を抜き、必要なときに必要な力を使える状態。

たとえば、コップを持つのに全身へ力を入れる必要はありません。

歩くだけなのに肩をすくめる必要もありません。

人と話すときに奥歯を噛みしめる必要もありません。

椅子に座っているだけなのに、お腹や腰をずっと固めている必要もありません。

でも身体が緊張することに慣れてしまうと、必要のない場面でも力を使い続けます。

それが積み重なると、

「何もしていないのに疲れる」

という状態につながります。

疲れやすい人は、体力がないだけとは限らない

疲れやすいと感じると、多くの方は、

「体力が落ちた」
「運動不足だ」
「筋肉をつけなきゃ」

と考えます。

もちろん、体力や筋力は大切です。

でも、同じ体力を持っていても、日常生活で余計な力をたくさん使う人と、必要な力だけを使える人では、疲れ方が変わります。

たとえば、一日中、

肩が上がっている。
奥歯を噛みしめている。
眉間に力が入っている。
お腹を固めている。
呼吸が浅い。
姿勢を良くしようと頑張っている。

こうした状態なら、身体は休んでいる時間にもエネルギーを使っています。

だから私は、疲れにくい身体を考えるとき、

「体力を増やす」だけではなく「体力を無駄遣いしない」

という考え方も、とても大切だと思っています。

肩こりも「力を入れすぎているサイン」のことがある

肩こりがあると、

「肩が弱いから鍛えよう」
「背中を鍛えよう」
「姿勢を良くしよう」

と考えがちです。

もちろん、筋力が必要な方もいます。

でも実際には、弱いのではなく、すでに肩が働きすぎている人もいます。

仕事中ずっと肩が上がっている。

スマホを見ながら首に力が入っている。

呼吸するたびに肩を持ち上げている。

姿勢を良くしようとして肩甲骨を寄せ続けている。

こうした方に必要なのは、さらに頑張らせることではなく、一度休ませることかもしれません。

筋トレそのものが悪いのではありません。

脱力できる身体に、必要な筋力をつける。

この順番が大切です。

呼吸は「脱力する練習」になる

脱力しようと思って、

「はい、力を抜いてください」

と言われても、なかなか抜けない方がいます。

それは珍しいことではありません。

身体が緊張した状態に慣れてしまうと、「力が入っている状態」が自分にとっての普通になるからです。

そこで大切になるのが呼吸です。

ゆっくりした呼吸に関する研究では、自律神経系や心拍変動などへの変化に加えて、リラックス感や快適さの増加、不安や覚醒状態の低下との関連が報告されています。すべての人に同じ効果が出るとは限りませんが、呼吸は身体の緊張状態に気づくための有用な手段の一つです。

難しい呼吸法をする必要はありません。

鼻から軽く息を吸う。

そして、ゆっくり吐く。

そのときに、

肩が上がっていないか。
奥歯を噛みしめていないか。
お腹を固めていないか。
眉間に力が入っていないか。

ただ感じてみます。

目的は「完璧な呼吸」をすることではありません。

自分がどれだけ頑張っていたかに気づくこと。

そこから脱力は始まります。

脱力できると「動くこと」も変わる

脱力は、休んでいるときだけ必要なものではありません。

歩く。
立つ。
運動する。
家事をする。
仕事をする。

すべての動きに関係します。

身体が力んでいると、一つの動作に必要以上の筋肉を使います。

肩を上げながら歩く。

腰を固めながら立つ。

呼吸を止めながら筋トレする。

全身に力を入れながら掃除する。

これでは、同じことをしていても疲れやすくなります。

一方で脱力できると、

必要な瞬間だけ力を使い、終わったら抜く。

この切り替えができるようになります。

つまり、脱力とは「力がない身体」ではありません。

力をコントロールできる身体です。

これは身体だけの話ではありません

私は、脱力という考え方は人生そのものにも似ていると思います。

常に100%頑張る。

人に嫌われないように頑張る。

仕事で認められようと頑張る。

家族のために自分を後回しにする。

休んでいると罪悪感を感じる。

予定が空いていると何かしなければと思う。

それでは身体だけでなく、気持ちにも余白がなくなります。

もちろん、人間関係や心理的な問題を「脱力すれば全部解決する」という単純な話ではありません。

でも、身体に余計な力が入っていることに気づけるようになると、

「今、私は頑張りすぎているかもしれない」

と、自分自身の状態に気づくきっかけになります。

私はそこに、大きな価値があると思っています。

力を抜くから、本当に必要なところで頑張れる

脱力というと、

「もっと楽をしましょう」

という話に聞こえるかもしれません。

でも、本当に伝えたいのは逆です。

本当に大切なところで頑張るために、それ以外では力を抜きましょう。

ずっと全力疾走していたら、本当に走りたい瞬間に走れません。

ずっと筋肉へ力を入れていたら、本当に力が必要な瞬間にうまく使えません。

ずっと気を張っていたら、大切な人との時間にも余裕がなくなります。

休む時間があるから動ける。

力を抜く時間があるから力を出せる。

吸ったら吐く。

動いたら休む。

緊張したらゆるめる。

人間の身体は、どちらか一方だけで成り立っているわけではありません。

50代からこそ「頑張る身体」から卒業する

特に50代女性は、

仕事。
家事。
子育て。
親のこと。
家族のこと。

何十年も頑張ってきた方が多い年代です。

身体を見ても、

「肩の力を抜いてください」

と伝えると、

「抜いているつもりなんですけど……」

と言われることがあります。

それくらい、頑張っている状態が当たり前になっています。

だからこそ、これから先の人生では、

もっと頑張れる身体を作るだけではなく、

頑張り続けなくても生活できる身体

を作ってほしいと思っています。

旅行に行く。

友人と出かける。

趣味を楽しむ。

家族との時間を過ごす。

行きたい場所へ行く。

やりたいことをやる。

そのために必要なのは、ムキムキの身体だけではありません。

一日を過ごしても余力が残っている身体です。

脱力は「人生の余白」をつくること

肩こりを改善することも大切です。

腰痛を改善することも大切です。

疲れにくい身体をつくることも大切です。

でも、それらはゴールではありません。

肩こりがなくなった先で、何をしたいのか。

腰痛への不安がなくなったら、どこへ行きたいのか。

疲れにくくなったら、誰とどんな時間を過ごしたいのか。

身体を整える目的は、人生を身体の不調だけで終わらせないことだと思っています。

脱力できる身体になる。

余計な力を使わなくなる。

疲れにくくなる。

気持ちにも少し余白ができる。

その余白を、

仕事。
家族。
友人。
旅行。
趣味。
自分自身。

本当に大切なものに使う。

これが、私たちが考える「脱力」の価値です。

LIFE SMILE GYMが脱力を大切にする理由

LIFE SMILE GYMでは、肩こりや腰痛がある方に、いきなり強い筋トレをすることだけを考えません。

まず、

呼吸ができているか。
肩に力が入りっぱなしになっていないか。
奥歯を噛みしめていないか。
腰やお腹を固めすぎていないか。
身体が休める状態になっているか。

を確認します。

そして、

呼吸を整える。
余計な力を抜く。
身体を動かしやすくする。
そのうえで必要な筋力をつける。

という順番を大切にしています。

鍛える前に、まず整える。

そして、整えるために必要なのが脱力です。

もっと頑張る前に、一度力を抜いてみる

私たちは、頑張ることを教わる機会はたくさんあります。

でも、

「力を抜く方法」

を教わる機会はほとんどありません。

だからこそ、一度自分の身体を確認してみてください。

今、肩に力は入っていませんか。

奥歯を噛みしめていませんか。

呼吸を止めていませんか。

お腹や腰を固めていませんか。

頑張らなくてもいい瞬間まで、頑張っていませんか。

人生に必要なのは、ずっと力を出し続けることではありません。

力を入れることと、力を抜くこと。

その両方を選べることです。

脱力とは、弱くなることではありません。

本当に大切な瞬間に、自分の力を使えるようになること。

そして、身体の不調に振り回されず、自分がやりたいことに時間とエネルギーを使えるようになること。

だからこそ、脱力は肩こりや腰痛を改善するためだけのものではありません。

自分らしく、豊かな人生を過ごすために必要な力の一つだと、私たちは考えています。