疲れやすい人の特徴と、脱力のすすめ

「朝から身体が重い」
「少し動いただけで疲れる」
「休んでいるはずなのに回復しない」
「肩こりや腰痛もあり、いつも身体が固い」
「体力が落ちたから、もっと運動しなきゃと思っている」

このような疲れやすさを感じている方は少なくありません。

疲れやすいと、多くの方はまず「体力がないから」「筋力が落ちたから」と考えます。

もちろん、運動不足や筋力低下が疲れやすさに関係することはあります。厚生労働省のe-ヘルスネットでも、運動習慣がある人は寝つきがよく、中途覚醒などの不眠症状が少ない一方、運動習慣がない人は睡眠休養感が低いことが示されています。睡眠は日中に蓄積した疲労を回復する大切な時間です。

しかし、疲れやすさの原因は「運動不足」だけではありません。

特に、身体の緊張が強い方は、何もしていないように見えても、身体の中ではずっと力が入り続けています。

疲れやすい人に多い身体の特徴

疲れやすい方の身体を見ると、次のような特徴があることがあります。

肩が上がっている。
奥歯を噛みしめている。
首や背中が常に張っている。
お腹や腰に力が入りっぱなし。
呼吸が浅い。
姿勢を良くしようとして、身体を固めている。
寝ているのに、朝から身体がこわばっている。

本人としては、力を入れているつもりはありません。

でも、身体はずっと「頑張るモード」になっています。

この状態では、休んでいるつもりでも身体が休まりにくくなります。

たとえば、肩に力が入り続けていれば、首や肩の筋肉は常に働き続けます。

呼吸が浅ければ、胸や肩で息をしやすくなり、首や肩まわりがさらに緊張します。

腰を守ろうとしてお腹や背中を固めていれば、立つ、歩く、座るという日常動作だけでも疲れやすくなります。

つまり、疲れやすい人は「体力がない」のではなく、余計な力を使いすぎている可能性があるのです。

疲れやすい人ほど、力を抜くのが苦手

疲れやすい方に「力を抜いてください」と伝えても、うまく抜けないことがあります。

肩の力を抜こうとしても、抜き方が分からない。
深呼吸をしようとすると、逆に肩が上がる。
リラックスしようとしても、頭の中が休まらない。
姿勢を崩すのが怖くて、常に身体を支えてしまう。

このような方は、頑張ることには慣れています。

しかし、休むことや脱力することには慣れていません。

だから、疲れやすい方に必要なのは、いきなりハードな筋トレをすることではない場合があります。

まず必要なのは、身体が安心して力を抜ける状態をつくることです。

脱力は「何もしないこと」ではない

脱力というと、ダラッとする、姿勢が悪くなる、筋肉を使わない、というイメージを持つ方もいます。

しかし、本来の脱力はそうではありません。

脱力とは、必要のない力を抜き、必要なところが自然に働ける状態をつくることです。

肩に入りっぱなしの力を抜く。
奥歯の噛みしめをゆるめる。
首や腰を固めすぎない。
呼吸を止めずに動けるようにする。
頑張らなくても立てる、歩ける、座れる身体に近づける。

このような状態がつくれると、日常生活での無駄な消耗が減りやすくなります。

脱力は、弱くなることではありません。

むしろ、必要なときに必要な力を使える身体になるための土台です。

脱力に必要なのは、まず呼吸

身体の緊張が強い方に、まず見直してほしいのが呼吸です。

疲れやすい方は、呼吸が浅くなっていることがあります。

呼吸が浅くなると、首や肩を使って息をしやすくなります。すると、休んでいるつもりでも肩まわりが働き続け、肩こりや疲労感につながることがあります。

厚生労働省のeJIMでは、リラクゼーション法の目的として、ゆっくりとした呼吸、低い血圧、平穏な気分などを特徴とする身体の自然なリラクゼーション反応を意識的に引き起こすことが説明されています。

また、ゆっくりした呼吸に関するシステマティックレビューでも、徐呼吸は心拍変動など自律神経系の変化と関連し、快適さやリラックス感の増加、不安や怒りなどの覚醒症状の低下と関連することが報告されています。

大切なのは、無理に大きく吸うことではありません。

まずは、ゆっくり吐くことです。

今日からできる脱力の練習

疲れやすい方は、寝る前や休憩中に次のような練習をしてみてください。

まず、奥歯の噛みしめをゆるめます。

次に、肩を少しすくめてから、ストンと落とします。

そして、鼻から軽く吸い、口または鼻から細く長く吐きます。

このとき、頑張って深呼吸をしようとしなくて大丈夫です。

「ちゃんと吸わなきゃ」と思うほど、肩や首に力が入りやすくなります。

ポイントは、吸うことよりも吐くこと。

息を吐きながら、首、肩、お腹、腰の力が少し抜ける感覚を探してみてください。

1〜2分でも構いません。

大切なのは、完璧にリラックスすることではなく、「自分の身体に力が入っていた」と気づくことです。

疲れやすい人ほど、鍛える前に整える

疲れやすいと感じると、

「もっと体力をつけなきゃ」
「筋トレを頑張らなきゃ」
「運動量を増やさなきゃ」

と思う方も多いです。

もちろん、適度な運動は大切です。

しかし、身体が緊張し、呼吸が浅く、睡眠で回復できていない状態で無理に運動を増やすと、かえって疲労感が強くなることもあります。

まず必要なのは、身体を追い込むことではありません。

呼吸を整えること。
力みを抜くこと。
睡眠で回復しやすい身体に近づけること。
肩や腰に余計な負担がかからない姿勢をつくること。

つまり、鍛える前に整えることです。

疲れやすい人に必要なのは、もっと頑張ることではなく、頑張らなくても動ける身体づくりかもしれません。

強い疲労感は自己判断しすぎない

ただし、疲れやすさをすべて「緊張」や「呼吸」の問題と決めつけるのは危険です。

不眠、食欲不振、吐き気、倦怠感、めまい、頭痛、肩こり、動悸、息苦しさなど、身体の不調はこころの不調や病気のサインとして現れることもあります。厚生労働省のe-ヘルスネットでも、うつ病ではこころの症状だけでなく、倦怠感や疲労感、頭痛、肩こり、動悸などの身体症状が出ることがあると説明されています。

強い疲労感が長く続く。
急に体調が悪くなった。
息切れや動悸、めまいがある。
発熱や体重減少がある。
日常生活に支障が出ている。

このような場合は、自己判断せず医療機関への相談も検討してください。

疲れない身体は、脱力できる身体から

疲れにくい身体をつくるために、体力をつけることは大切です。

でも、それ以上に見落とされやすいのが、余計な力を抜ける身体です。

常に肩に力が入っている。
常に呼吸が浅い。
常に腰やお腹を固めている。
常に姿勢を頑張って保っている。

このような身体は、日常生活だけでも疲れやすくなります。

LIFE SMILE GYMでは、疲れやすさを単なる体力不足として見るのではなく、呼吸、姿勢、身体の緊張、日常の力みを確認しながら、その方に合った順番で整えていきます。

鍛える前に、まず整える。

力を入れる前に、力を抜ける身体へ。

疲れやすさを年齢や体力不足だけで片づけず、まずは自分の身体がどれだけ頑張り続けているのかに目を向けてみてください。

本当に必要なのは、もっと頑張ることではなく、安心して脱力できる身体づくりかもしれません。