「肩こりを改善したくて筋トレを始めた」
「背中を鍛えれば姿勢が良くなると思った」
「体幹を鍛えれば肩こりも楽になると思った」
「でも、運動しているのに肩こりが変わらない」
このようなお悩みを抱えている50代女性は少なくありません。
まずお伝えしたいのは、筋トレが悪いという話ではありません。
首や肩まわりの慢性的な痛みやこわばりに対して、運動療法が有効な選択肢になることは研究でも示されています。たとえば、首の痛みに関するコクランレビューでは、首・肩甲骨まわり・上肢の筋力トレーニングやストレッチなどが、痛みや機能改善に役立つ可能性が報告されています。
つまり、運動は大切です。
ただし、問題は「どんな身体の状態で筋トレをしているか」です。
身体の緊張が強く、首や肩に力が入りっぱなしの状態で筋トレをすると、本来使いたい背中や体幹ではなく、首や肩がさらに頑張ってしまうことがあります。
筋トレで肩こりが変わらない人に多い特徴
肩こりが強い方の身体を見ると、本人は力を入れているつもりがなくても、常に身体が緊張していることがあります。
たとえば、
肩が無意識に上がっている。
奥歯を噛みしめている。
首の後ろが張っている。
背中や肋骨が動きにくい。
呼吸が浅く、胸や肩で息をしている。
姿勢を良くしようとして、腰や背中を反らせている。
このような状態です。
この身体のまま筋トレをすると、背中を鍛えているつもりでも首が疲れたり、腕を動かしているだけなのに肩がすくんだり、体幹トレーニング中に呼吸が止まったりします。
そして運動後に、
「肩がさらに重い」
「首が張る」
「スッキリするどころか疲れる」
「筋トレを頑張っているのに肩こりが抜けない」
という状態になってしまうことがあります。
これは、努力が足りないからではありません。
今の身体に必要なのが、筋力を増やすことよりも先に、余計な力を抜くことなのかもしれません。
肩こりの人は“弱い”より“力みすぎ”の場合がある
肩こりがあると、多くの方は「筋力が弱いからだ」と考えます。
もちろん、筋力不足が関係することもあります。
しかし、50代女性の慢性的な肩こりでは、弱いというより、すでに頑張りすぎている身体になっていることがあります。
常に肩に力が入っている。
常に首で頭を支えている。
常にお腹や背中を固めている。
常に呼吸が浅い。
この状態は、身体がずっと働き続けている状態です。
そこでさらに筋トレを足すと、身体はもっと頑張ろうとします。
本当に必要なのは、いきなり負荷をかけることではなく、まず「頑張らなくても支えられる身体」に戻していくことです。
脱力は、筋トレの反対ではありません
脱力というと、ダラッとする、姿勢が崩れる、筋肉を使わない、というイメージを持つ方もいます。
しかし、ここでいう脱力は違います。
脱力とは、必要のない力を抜き、必要な筋肉が自然に働ける状態をつくることです。
肩に入りっぱなしの力を抜く。
奥歯の噛みしめをゆるめる。
首や腰を固めすぎない。
呼吸を止めずに動けるようにする。
肩をすくめずに腕を動かせるようにする。
これができると、筋トレをしたときにも、本来使いたい背中や体幹に力が入りやすくなります。
つまり、脱力は筋トレの反対ではありません。
筋トレの効果を出すための土台です。
呼吸が浅いと、肩は休まりにくい
肩こりが強い方に多いのが、呼吸の浅さです。
本来、呼吸では横隔膜や肋骨、背中まわりも自然に動きます。
しかし、身体が緊張していると、肩や首を持ち上げるような呼吸になりやすくなります。
すると、呼吸をするたびに首や肩まわりの筋肉が働き続けます。
これでは、休んでいるつもりでも肩が休まりません。
厚生労働省のe-ヘルスネットでも、ストレッチングを行う際には息を止めないことが大切で、ゆっくりと深い呼吸には緊張を和らげる効果があると説明されています。
また、ゆっくりした呼吸は、自律神経系の変化やリラックス感と関連することも研究レビューで報告されています。
だからこそ、肩こりを改善したい方は、筋トレの前に「ちゃんと呼吸できているか」を確認することが大切です。
50代女性に必要なのは、頑張る運動より“順番”
50代女性は、仕事、家事、家族のサポート、親の介護など、日常の中で無意識に気を張っている方が多いです。
自分では普通に過ごしているつもりでも、身体はずっと緊張していることがあります。
その状態で、
もっと鍛えよう。
もっと姿勢を良くしよう。
もっと肩甲骨を動かそう。
もっと体幹を使おう。
と頑張ると、身体はさらに力みやすくなります。
大切なのは、筋トレをやめることではありません。
筋トレが効く身体の準備をすることです。
そのためには、まず呼吸を整える。
首や肩の力みを抜く。
肋骨や背中を動かしやすくする。
肩甲骨を無理に寄せるのではなく、自然に動ける状態をつくる。
姿勢を固めるのではなく、楽に支えられる状態をつくる。
そのうえで、必要な筋トレを行う。
この順番がとても大切です。
筋トレしても肩こりが改善しない方へ
筋トレを頑張っているのに肩こりが変わらない。
その場合、あなたの努力が足りないわけではありません。
もしかすると、今の身体に必要なのは、さらに負荷を増やすことではなく、余計な力を抜くことかもしれません。
肩こりを改善するには、筋肉を強くすることだけでなく、首や肩に負担が集中しない身体の使い方を身につけることが大切です。
呼吸が浅くないか。
肩が上がっていないか。
奥歯を噛みしめていないか。
姿勢を良くしようとして、逆に固めていないか。
運動中に呼吸が止まっていないか。
まずは、そこを見直してみてください。
鍛える前に、まず整える
LIFE SMILE GYMでは、肩こりを単なる筋力不足として見ていません。
もちろん、必要に応じて運動や筋トレも行います。
しかし、その前に大切にしているのが、身体の見立てです。
呼吸は浅くないか。
首や肩に力が入り続けていないか。
肋骨や背中は動いているか。
姿勢を保つために、どこかが頑張りすぎていないか。
日常生活で、無意識に力む癖がないか。
その方の身体を確認しながら、必要な順番で整えていきます。
筋トレしても肩こりが改善しない50代女性へ。
必要なのは、もっと頑張ることではなく、まず力を抜ける身体をつくることかもしれません。
鍛える前に、整える。
力を入れる前に、力を抜ける身体へ。
肩こりに振り回されず、家事も仕事も趣味も旅行も楽しめる身体をつくるために、まずは呼吸と脱力から見直していきましょう。

