身体がずっと緊張している人へ。交感神経と「脱力」の大切な関係

「何もしていないのに肩に力が入っている」

「気づくと奥歯を噛みしめている」

「寝る直前まで身体が緊張している」

「休みの日なのに、なぜか気が休まらない」

「疲れているのに、力を抜けない」

そんな状態になっていませんか?

LIFE SMILE GYMで身体を見ていると、

肩こりや疲れやすさに悩んでいる方ほど、

“身体がずっと頑張っている”

ことがあります。

そこでよく聞く言葉が、

「交感神経が優位になっている」

という言葉です。

ただ、ここで一つ大切なことがあります。

交感神経は悪者ではありません。

むしろ、生きていくために絶対に必要なものです。

問題になるのは、

緊張することではなく、

緊張したあとに、身体がきちんと緩められないこと。

今回は、交感神経と身体の緊張、そして「脱力」について考えていきます。

交感神経とは何か?

私たちの身体には「自律神経」と呼ばれる神経系があります。

自律神経は、自分でいちいち意識しなくても、

心拍。

血圧。

発汗。

血管。

消化。

体温調節。

など、身体のさまざまな働きを調整しています。

その自律神経を大きく分けると、

交感神経と副交感神経があります。

簡単に表現すると、

交感神経は、

「活動や緊張に対応するためのシステム」

として働きます。

運動する。

仕事に集中する。

人前で話す。

危険を感じる。

大切な場面に臨む。

こうしたときには、身体をその状況へ適応させるために交感神経活動が変化します。

実際、交感神経活動は運動や精神的ストレス、睡眠など、日常のさまざまな状況に応じて調節されています。

つまり、

交感神経が働くこと自体は正常です。

「交感神経を下げれば健康」ではない

最近は、

「交感神経が悪い」

「副交感神経を優位にしましょう」

という言葉をよく聞きます。

でも、人間の身体はそんなに単純ではありません。

朝起きて活動する。

仕事をする。

運動する。

何かに集中する。

このときには、ある程度身体を活動できる状態にする必要があります。

ずっと副交感神経だけが強ければ良いわけではありません。

本当に大切なのは、

活動するときには活動する。

休むときには休む。

緊張するときには緊張する。

終わったら緩める。

という、

状況に合わせて身体が切り替わること。

です。

問題は「ずっと緊張している身体」

たとえば仕事で大切なプレゼンがある。

その瞬間に身体が緊張する。

これは自然です。

でもプレゼンが終わって、

家に帰って、

夕食を食べて、

お風呂に入って、

布団に入っても、

まだ身体が緊張したまま。

これが毎日続いたらどうでしょうか。

身体は、

「もう頑張らなくていい時間」

になっても、頑張り続けています。

肩が上がる。

顎に力が入る。

奥歯を噛みしめる。

お腹を固める。

息を止める。

眉間に力が入る。

呼吸が速くなる。

本人は座って休んでいるつもりでも、

身体は休めていない。

そんな状態になることがあります。

肩こりと緊張状態

精神的なストレスと筋肉の活動には関連があります。

研究では、精神的なストレスによって僧帽筋など首・肩まわりの筋活動が増えることが確認されています。

ただし、

「交感神経が優位だから肩こりになる」

と単純に言い切ることはできません。

肩こりには、

姿勢。

長時間のデスクワーク。

運動量。

睡眠。

心理的ストレス。

身体の使い方。

筋肉や関節の問題。

など、さまざまな要因が関係します。

その中の一つとして、

身体が長時間緊張し、十分に休む時間が少ないこと

を見る必要があります。

特に、

「仕事が終わっても肩が上がっている」

「家に帰っても噛みしめている」

という人は、

肩を鍛える前に、まず力が抜けるか確認してみてください。

疲れやすい人は「体力不足」だけではない

疲れやすいと、

「体力がないんだ」

と思います。

そして、

筋トレしなきゃ。

もっと運動しなきゃ。

と考えます。

もちろん体力や筋力は重要です。

でも、もう一つ考えてほしいことがあります。

一日中、余計な力を使っていませんか?

肩に20%。

顎に10%。

お腹に20%。

腰に20%。

そんなふうに、必要のない力をずっと使っていたら、

一日の終わりには疲れて当然です。

例えるなら、

車を止めているのに、アクセルを少し踏み続けているようなものです。

だから疲れない身体づくりでは、

体力を増やすことだけではなく、

今ある体力を無駄遣いしない身体

をつくることも大切です。

緊張状態は睡眠にも関係する

「身体は疲れているのに眠れない」

という方もいます。

強いストレス反応と睡眠には相互関係があり、近年のレビューでも、交感神経系やストレス反応に関わる仕組みと睡眠障害との関連が整理されています。

もちろん、

眠れない=交感神経が悪い

という単純な話ではありません。

睡眠には、

生活リズム。

光。

カフェイン。

アルコール。

更年期。

睡眠時無呼吸。

精神的ストレス。

病気。

など、さまざまな要因があります。

ただ、

一日中緊張して、

布団に入る直前までスマホを見ながら仕事をして、

「はい、今から寝ます」

と身体へ命令しても、

すぐに切り替えられないことがあります。

だからこそ、

寝る前から身体を休ませる準備

が必要です。

「脱力」は身体の切り替えを練習すること

LIFE SMILE GYMが大切にしているのが、

脱力です。

脱力というと、

「だらける」

「力を入れない」

というイメージを持つ方もいます。

でも違います。

脱力とは、

必要のない力を抜き、必要な場面で必要な力を使える状態。

です。

力を入れられることも大事。

力を抜けることも大事。

この両方ができることが理想です。

スクワットするときには力を出す。

終わったら抜く。

重い荷物を持つときには力を出す。

置いたら抜く。

仕事で集中する。

仕事が終わったら緩める。

これが身体の自然な切り替えです。

呼吸は「脱力」の練習に使える

身体がガチガチの人に、

「力を抜いてください」

と伝えても、

なかなか抜けません。

なぜなら、

緊張している状態が、その人にとって普通になっているから。

そこで使いやすいのが呼吸です。

ゆっくりした呼吸については、多くの研究をまとめたメタ解析で、心拍変動のうち副交感神経活動と関連する指標が増加することが報告されています。

また、システマティックレビューでは、ゆっくりした呼吸とリラックス感の増加や覚醒・不安の低下などとの関連も報告されています。

ただし、

「深呼吸をすれば自律神経がリセットされる」

というほど単純ではありません。

一回呼吸しただけですべての緊張が解消するわけでもありません。

目的は、

自分の身体の状態に気づき、緩めるきっかけをつくること。

です。

「深く吸う」より、まずゆっくり吐いてみる

緊張している人ほど、

「深呼吸してください」

と言うと、

一生懸命たくさん空気を吸おうとします。

すると、

肩を持ち上げる。

首に力を入れる。

胸を大きく反らす。

さらに力んでしまうことがあります。

だから、まずは大きく吸うことより、

普通に吸って、ゆっくり吐く。

それで十分です。

息を吐きながら、

肩は上がっていないか。

奥歯を噛みしめていないか。

眉間に力が入っていないか。

お腹を固めすぎていないか。

確認します。

3〜5呼吸でも構いません。

大切なのは、

「リラックスしなきゃ」

と頑張らないこと。

今どこに力が入っているのかを感じること。

そこが脱力のスタートです。

こんな人は「力を抜く時間」をつくってほしい

仕事をしていると肩が上がる。

スマホを持つだけで首が力む。

運転するとハンドルを強く握る。

寝ている間に歯ぎしり・食いしばりがある。

家に帰っても仕事のことを考えている。

休みの日にも予定を詰め込む。

何もしていないと不安になる。

こうした方は、

運動する時間だけではなく、

身体を緩める時間

も意識してみてください。

一日10分瞑想しなければいけないわけではありません。

仕事が一区切りついたら一度息を吐く。

信号待ちで肩を落とす。

帰宅したら着替えて数分座る。

湯船に入る。

寝る前にスマホを置く。

そんな小さなことで構いません。

頑張れる人ほど「休む能力」が必要

特に50代女性は、

仕事。

家事。

子育て。

親のこと。

家族のサポート。

長い間、人のために頑張ってきた方も多い年代です。

身体が緊張していても、

「これくらい普通」

と思ってしまう。

疲れていても、

「まだ動けるから大丈夫」

と頑張る。

そして肩こりや腰痛が強くなってから、

初めて身体の疲れに気づく。

そんな方もいます。

だから私は、

これからの身体づくりでは、

「もっと頑張れる身体」だけを目指さなくてもいい

と思っています。

仕事が終わったら力を抜ける。

家に帰ったらホッとできる。

眠るときには身体を休ませられる。

そして翌朝、また必要なときに力を出せる。

そんな身体をつくることが大切です。

交感神経は敵ではない。必要なのは「切り替え」

交感神経は悪いものではありません。

仕事をするとき。

運動するとき。

何かに挑戦するとき。

危険から身体を守るとき。

私たちに必要なシステムです。

だから、

「交感神経を下げよう」

だけを目標にする必要はありません。

大切なのは、

必要なときには緊張できて、必要がなくなったら緩められること。

です。

この切り替えがうまくいかず、

朝から夜までずっと緊張している。

それが身体の負担になっていないかを見てほしいのです。

不調を全部「自律神経」で片づけない

ここも大切です。

動悸。

息苦しさ。

強い疲労。

めまい。

不眠。

頭痛。

胃腸症状。

こうした症状があったとしても、

「交感神経が優位だから」

と自己判断するのは危険です。

病気や薬の影響など、別の原因が隠れていることもあります。

症状が強い、長く続く、日常生活に支障がある場合は、医療機関へ相談してください。

自律神経という言葉ですべてを説明しないことも、健康を守るうえでは大切です。

鍛える前に、まず力を抜ける身体へ

LIFE SMILE GYMでは、

肩こりがあるから肩を鍛える。

腰痛があるから腹筋を鍛える。

だけではなく、

そもそも、

肩は休めていますか?

呼吸できていますか?

お腹を固め続けていませんか?

奥歯を噛みしめていませんか?

身体は力を抜けますか?

という部分を見ています。

そして、

呼吸する。

身体の緊張に気づく。

余計な力を抜く。

身体を動かしやすくする。

その上で必要な筋力をつける。

という順番を大切にしています。

鍛える前に、まず整える。

そして整えるためには、

「力を入れる能力」だけではなく、

「力を抜く能力」

も必要です。

あなたの身体は、今も頑張っていませんか?

この記事を読んでいる今、

一度身体を確認してみてください。

肩は上がっていませんか?

奥歯を噛みしめていませんか?

眉間に力は入っていませんか?

お腹を固めていませんか?

呼吸を止めていませんか?

もし力が入っていたら、

一度ゆっくり息を吐いて、

肩をストンと落としてみてください。

頑張ることが悪いわけではありません。

人生には、力を出さなければいけない瞬間があります。

だからこそ、

その瞬間以外は、

力を抜ける身体でいること。

本当に必要なときに100%の力を使うために、必要のない時間は力を抜く。

これが、LIFE SMILE GYMが考える「脱力」です。

不調改善の先にあるのは、

もっと頑張り続ける人生ではありません。

仕事もする。

旅行にも行く。

趣味も楽しむ。

家族との時間も楽しむ。

そして休むときには、しっかり休める。

そんな余白のある身体と人生をつくっていきましょう。